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2010年10月 アーカイブ

「マクベス」にみる夢遊病

前回引用したシェイクスピアの名作、『マクベス』のなかに、あのように夢遊病の描写が出てきます。


この夢中遊行は、常にノンレム睡眠の深い段階(第三段階と第四段階)から起こります。


夢中遊行の状態のときに脳波を記録してみると、歩いたり、いろいろな動作をしています。


まるで目覚めているように思われるときでも、脳波には大振幅の徐波が現われていて、脳はあきらかに眠っているのです。


まさしく頭の眠りの純粋な形とみることができるでしょう。


誰れでも経験することでしょうが、目覚まし時計がなって起きても、しばらく頭がぼんやりしていて、精神活動のにぶい状態が続いていることがあります。


そうかと思うと、目覚めたとき頭がすっきりしていて、すぐに現実の問題に適応できる精神状態のときもあります。


脳波を記録してみると、前者はノンレム睡眠から目覚めた揚合であり、後者はレム睡眠から見覚めた揚合です。


寝ぼけ状態が強いのは、睡眠第三・第四段階の深い眠りから急に目覚めさせたときなのです。

ノンレム睡眠の起こす異常

深い眠りは発育ざかりの子供に非常に多く、年をとるにつれて減少します。


このことが夢中遊行は子供で多く、成長するにつれて減っていくことに関係します。


マクベス夫人の場合はこの説明は適当ではありません。


医師がいうように、


「不自然な行為は不自然な悩みを生むものだ。病める心は、つんぼの枕に秘密を打ち明ける。


……奥方に必要なのは坊さんだ、医者ではない」のかも知れません。


夜驚も夢中遊行と似ています。


睡眠中に突然大きな叫び声をあげて起きあがり、手足をバタバタさせるなど強い不安や恐怖の様子を伴なうことが特徴です。


これもノンレム睡眠の深い眠りである第三・四段階から起こります。


夜驚のとき子供は見当識を欠いており、翌朝きいてみてもはっきり憶えていません。


子供の場合は成熟とともに消失しますが、おとなの場合長く続いていると深刻な悩みになることがあります。


また日中のストレスや疲労も原因になりえます。


夜尿は4~5歳の子供の15%ぐらいにみられます。


夜間睡眠の前半に多く、しかもノンレム睡眠のときに起こるのです。


これらはすべて、羽毛 ふとんのなかで身体は起きていますが、頭が眠っている状態であるといってよいでしょう。

レム睡眠の起こす異常

悪夢はレム睡眠のときに体験するものです。


おそろしい夢をみて目覚めてしまう状態です。


この場合には、夢の内容をよく記憶していることが特徴です。


羽毛 布団で目覚めたとき、おそろしい夢の内容を詳しく思い出すことができます。


また、目覚めたときに即座に周囲に適応できます。


悪夢は子供でも大人でもみられ、不安、心配ごと、心労などがあると出現しやすいです。


ダンテは『神曲』浄罪篇第九歌に自分がみた悪夢を描いています。


・・・

老人ティトーネの側女は、

その優しい友人の腕をはなれ、

東の露台はすでに白んでいたが、

彼女の額は尾で人間をうつ

冷たい生物の形にかたどられた

多くの宝石で輝いていた。


そして夜はいま私たちのいる場所へ

昇りの足どりですでに二歩ばかり進み、

第三歩目がもはや翼を下に向けていた。

アダモ以来人が有していたものを有していた。

私は、そのとき睡眠に負けた五人の者がすでに

坐していた草のうえにうち臥したが、

若燕がたぶんそのかみの不幸を

思いだしたからであろう。

悲しい哀歌を遠く離れてさまよい、

また思いにとらわれることが少なくなって、夢がほとんど神託となる朝まだき、

私は夢の中で、羽根をひろげて天に懸っていた一羽の黄金の翼の鷲がまさに舞い下りようと

しているのを見たような気がした。

また至高の者たちの集会のためにさられた時、

ガニメーテが人民を見捨てた揚所に

私がいるような気がしたのである。

私は心の中で考えた、「たぶんこの鳥は、ここばかり飛ぶ習わしがあるのか、それとも

他の揚所で獲物をとって舞い上がるのを嫌うのだ」と。

レム睡眠の起こす異常 2

今回も、「レム睡眠の起こす異常」のついての話。


以下は、ダンテの『神曲』浄罪篇第九歌の引用です。

・・・


さて鳥はしばらくぐるぐる飛んだのち

雷電のような恐ろしい勢いで急下降して、

私をさらって火のところまで昇ったような気がした。

そこでは鳥と私が焼けるように思われたが、

夢の中の火はひどく激しく燃えたため、

とうとう夢はやぶれてしまったのである。

母親が自分の胸の中に眠っていたアキルレを

キローネからミロへ移した時(そこからギリシア人が彼を連れ去ったのである)、

彼が目をさましたあたりを見廻しても

どこにいるのかわからないので、

思わず身をふるわしたのと同じように、

私の顔から眠気が逃げさったとき、

私も身を震わし、驚きのあまりに

凍りついた人のように蒼白になってしまった。


・・・


睡眠麻痺はいわゆる「金縛り」の状態で、入眠時とか朝の目覚めどき自分の手足を動かしたり、話したりすることができません。


目を開けることさえできないことがあります。


本人は自分がどんな状態にあるか理解しており、あとで思い出すこともできます。


ときには、おそろしい幻覚を伴なうこともあります。


わたしも、せっかく羽毛 布団 販売で買った心地いい布団のなかなのに悪夢を見ることがあります。


この状態もレム睡眠の特殊な場合と考えられます。


意識は覚醒状態にあるのに、筋活動が強く抑制されていて、夢様の体験を伴なうのです。

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