本物の無眠者
一夜か二夜の徹夜ならなんとかなるが、それが連日となると疲労困態してしまう。
不眠の苦しさは、睡眠のこころよさのうらがえしでもある。
ところが、世間はひろいもので、ほとんど眠らなくてもよい人がいるという。
しかも、当人はすこぶる健康であって、ふつうの人が寝ている時間もやすまず、活発に仕事をつづけている。
こういう人たちを「無眠者」とよぶ。
この人たちが不眠症患者とちがうところは、眠ることに興味がなく、眠らなくてもこまらないことだ。
ちなみに、毎晩一睡もできない、となげく自称不眠症患者は、じっさいにはかなり眠っているのだが、夜中にしょっちゅう目がさめるので睡眠の質がわるく、眠った気がしないのが真相らしい。
さて、眠らなくてもよいという特異な能力をそなえた人は、ざらにいるものでばない。
かならずしも布団 羽毛に入らなくたって、眠ることはできるのだから、ほんとうに起きたままでいたのかどうか、一晩中ずっと脳波を記録して精密に判定しなければならない。
こういう検査をうけて、専門家のお墨つきをえた無眠者は、オーストラリア、イギリス、フランスに数名いるだけである。